探偵の役割はさまざまですが、古くからニーズのある仕事として「復縁工作(復縁屋)」が挙げられます。
近年では、人間関係のグローバル化の影響に伴い「海外赴任した人とやりなおしたい」「外国人パートナーと復縁したい」という要望が急増しています。国内での復縁をメインに活動していた探偵は、語学力・文化理解力が求められる時代に突入したと言えるでしょう。
海外在住者または外国人との復縁工作を望まれるケースでどのようなスキルを活かせられるのか、実務家の目線で解説しました。
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海外赴任者との復縁を実現する方法
日本人同士のカップルでは、一方が海外に赴任したことがきっかけとなって別れてしまうケースが多くあります。
友人や家族として失恋相談に対応するなら「物理的距離があるから仕方ない」という回答もあり得るでしょう。しかし、復縁屋として活動する場合は曖昧に出来ません。依頼する人の多くは、別れた原因がわからない(どうしても納得できるものではない)と悩んでおられるか、別れのきっかけとなった要素を克服してやりなおしたいと考えています。
そこで探偵に求められるのは、まず調査と分析を徹底し、別れの原因やいきさつを明確化することです。下記表には、復縁依頼でかならずチェックしたい要素の最も代表的なものをまとめています。
チェック項目 | 工作難易度:低 | 工作難易度:高 |
別れのきっかけ(原因)は | ターゲット側の浮気・不倫
仕事や人生観に関する意見の食い違い 家族との不和 その他、衝動的なもの |
依頼人側の浮気・不倫
金銭感覚の違い 不明(調査と分析で精査の必要アリ) |
別れた方法は | 一方的な別れ話
渡航後の話し合いによる別れ |
渡航後の自然消滅
渡航前の話し合いによる別れ 浮気相手または家族の介入 |
別れたあとも連絡がとれるか | とれる | とれない |
ターゲットに新恋人が存在するか | 存在しない | 存在する |
表には工作難易度も併記していますが、この通りではありません。
また、明確に別れ話が出た時期についても重要です。相手方が現地赴任中に別れた場合、単純に顔を合わせる頻度が低下したことによる「一時的な親密度低下」が原因ではないかと考えられます。復縁屋の仕事としては、もう一度カップルがじっくり話し合いを持つ機会さえ用意できれば、依頼人の最終要望に応えられる可能性が高いと言えます。
一方で、浮気や不倫相手の存在があった場合・渡航前になんらかのトラブルが起きていた場合は。非常に複雑です。対応方法は国内カップルであってもケースバイケースであり、探偵が「別れさせ屋」として最小限のダメージで人間関係を適正化する必要もあるでしょう。復縁工作の腕の見せ所でもあります。
探偵に求められる復縁スキル
一方が海外赴任した日本人カップルの場合、探偵スキルでウェイトが高いのは「現地での行動スキル」ではありません。
まずは客観的に状況を把握することと、ターゲットの分析力です。たとえ日本人でも、海外にいるうちに刻一刻と価値観が変化します。そうした状況に対応し、一辺倒でない臨機応変な工作を心がける必要があります。
探偵に求められるスキル
- 中立で客観的な状況把握
- 人間心理(ターゲットを取り巻く環境を含めた)の分析力
外国人との復縁を実現する方法
外国人パートナーとの復縁は「価値観・文化の違い」を理由に困難とされていますが、決してそのようなことはありません。語学力や海外生活経験に頼り切りで探偵活動を行うと、思わぬ落とし穴にはまってしまいます。自分ではターゲット出身国の文化情勢を完全に理解しているつもりでも、地域ごとに全く異なる価値観が存在する場合もあります。
まずは慎重に、別れの原因を分析しましょう。
外国人との復縁依頼でおさえておきたいこと
- ターゲットがどういった状況で来日したのか把握する(留学生・奨学生・ホームステイ・外国からの赴任等)
- ターゲットの母国での生活環境を調査分析する
- カップル間の家族観・仕事観の違いに着目する
- カップルの語学力ギャップ・普段のコミュニケーション方法を把握する
1~2は現地調査(浮気調査含む)・ターゲットとの接触調査などから把握します。高い語学力が求められますし、各地の信教や情勢についても日々学習しなければなりません。カウンセラーとしての知見があれば、3~4をヒアリングによって依頼主から引き出す役として活躍できるでしょう。
基本は日本人カップルの復縁と変わりませんが、そこにいたるまでの道のりにプロフェッショナルとしての自覚&スキルが求められます。
語学力や経験に頼らず「傾聴力」「調査分析スキル」を大切に
海外専門の復縁屋として活躍するには、語学力や現地生活経験(あるいは文化研究歴)が求められるのは確かです。
しかしそれ以上に、依頼主とターゲット双方の心のうちを理解する「傾聴力」・隠したがっている事実までしっかり掘り起こして分析する「調査分析スキル」が必要であることを、しっかり認識する必要があります。
海外で活躍できる復縁専門の探偵の数は、業界全体の需要に追いついていません。スキルを磨き、時代の変化に対応できるようにしましょう。